雪国では雪国ならではの、高温多湿の環境では高温多湿の環境ならではの、南国では南国ならではの平屋の良さがあります。
それぞれの地域で平屋を建てる際の注意点などにも触れており、これから平屋にお住まいになることをお考えの方々に、有益な情報を提供しています。
それぞれの地域にあった間取りや、特徴的な屋根の形、高い天井など、平屋ならではの良さを知っておきましょう。
雪国での平屋の特徴は、基礎の高さと、屋根の形にあります。
雪国での平屋の建築によく採用される屋根の形を、「片流れ屋根」といい、一方向に傾斜をつけるため、積もった雪が、決まった方向に、勝手に落ちてくれます。
切妻屋根も、雪国でよくみられる屋根の形だと思います。切妻屋根とは、家というと誰もが想像するような形の、中央から両側に傾斜した三角屋根のことです。
また、基礎を高くすることによって、雪が降り積もっても困らない造りを実現しています。
雪国で平屋を立てる際に注意すべき点は、屋根が雪の重さに耐えられる造りになっているかどうかです。
屋根を傾斜させて、雪が勝手に滑り落ちるようにするか、積もった雪の重さに耐えられるように、梁や柱を太くするなどの工夫が必要です。
また、前述のように、基礎を高くすることも重要になってきます。基礎を低くしてしまうと、雪が降り積もった際に、すぐに家が雪に埋まってしまいます。
雪国で建物を建てる際に注意しなければならない、基礎の高さと屋根の形。降り積もった雪に埋もれないように、基礎は高めに設計しましょう。
雪国での暮らしに一番お勧めなのは、片流れ屋根です。片方に雪が落ちるスペースがあればよく、雪下ろしも必要ありません。
敷地に余裕があり、建物の両方向に雪が落ちてもいいという方には、切妻屋根もお勧めです。
無落雪屋根という、雪が周りに落ちない形の屋根もあります。雪下ろしは必要になりますが、敷地面積は少なくても大丈夫です。
日本は昔から、高温多湿の国です。日本の夏は気温が高いだけでなく、湿度も高く、それが日本の夏を過ごしにくくしています。
そんな高温多湿の日本の夏を乗り切るのに適しているのが、日本古来の木造住宅です。木には調湿機能があり、部屋の湿度を50%程度に調整してくれます。
高温多湿の日本で昔から建てられてきた平屋を見ると、木造で、風通しがいいように窓は大きく作られています。
これらは、高温多湿の環境で建てられた平屋の特徴だと言えるでしょう。
高温多湿の環境下で平屋を建てる際に気を付けるべきことは、湿度の調整と、換気です。これらがきちんとなされていないと、カビなどの発生の原因になります。
湿度の調節に適した建材には、木以外にも、珪藻土や漆喰などがあります。これらの建材を、用途に合わせて、使い分けるのが、高温多湿の環境を乗り越える家を造る秘訣だといえます。
また、間取りを工夫して、風通しのいい家を建てるようにすることも大事だと言えるでしょう。
調湿機能のある木造建築が、平屋に限らず、高温多湿での家屋の建築に適していると言えます。
また、平屋には、風通しが悪くなりやすいという特徴があります。高温多湿の環境では、風通しの良い家を建て、カビなどの発生を防ぐ必要があります。
これは、中心に中庭を造る口の字型の設計や、コの字型の設計を取り入れることで解決することができます。
南国風の平屋と言えば、開放感のある広い窓が特徴でしょう。晴れた日には、床に寝そべって、広い窓から、澄み切った青空を眺めることができます。
平屋ならではの高い屋根からは、南国ならではの開放感を味わうことができます。
白い外壁は、南国の青空によく映え、一歩外に出れば、緑に癒される、そんな生活を送ることができます。
南国風の平屋と言えば、大体の人がイメージするであろうのが、広い窓。広い窓には風通しがよく、暑い夏を快適に過ごさせてくれる効果もあります。
しかし、窓が広い、外との距離が近いということには、外からの侵入を簡単にするという側面もあります。
不審者は人の目を気にするので、高い塀で囲ったりせずに、あえて、家に入ろうとする人が、外の人の目に触れるように設計するというのも手かもしれません。
南国に平屋を建てるとすれば、広々とした窓と、晴れた日に外にでて、日光浴を楽しむ為のウッドデッキは欲しいところです。
海のそばの小高い丘に家を建てて、ウッドデッキから海に沈んでゆく夕日を眺めるのもいいでしょう。
雨の日には、平屋だからこそ実現できる高い天井で、室内プラネタリウムを楽しんでみるのもいいかもしれません。