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L字型の平屋の特徴

平屋の建築を検討する際に、大きなポイントとなるのは、建物形状がロの字型、コの字型、L字型に分かれてくるという点になります。ここでは、建物を直角に曲げた形状であるL字型について取り上げ、メリットとデメリット、そして中庭を設置するポイントについて解説しています。平屋の間取りを考える参考としてみてください。

L字型のメリット

複雑な形状の土地にも建築しやすい

L字型の平屋ならではの大きな強みとして挙げられるのは、複雑な形状の土地であっても建築しやすいという点になります。中庭の四方を建物で囲ったロの字型や、中庭の三方を囲むコの字型の平屋の場合、長方形や正方形に近い形状かつまとまった面積の土地が必要となるという側面があります。対してL字型の平屋であれば、三角形や五角形、台形、旗竿地や高低差のある土地などにも柔軟に対応することができます。そのような土地は価格面でお手頃な場合が多いという点もメリットと言えるでしょう。

デザイン性が高い

一般的な長方形の平屋に対し、L字型の平屋は建物が直角に曲がっているという形状を活かし、独創的なデザインを取り入れやすいというのも注目すべきポイントです。例えば南北方向に配置される部位と東西に配置される部位で屋根形状を変えたものとしたり、外壁の素材や塗装色を変えるといったメリハリのあるデザインを取り入れるのも容易。また高低差のある土地形状を活かしてスキップフロアとするといったことも行いやすくなっています。さらには建物形状を活かして中庭を設けたり、リビングと大開口部でつながるウッドデッキをしつらえるといったこともお手のものです。

採光性や風通しに優れている

一般的な長方形の平屋よりも、L字型の平屋は太陽の光や自然の風をより採り入れやすいという点も見逃せないポイントとなっています。建物自体に角度がついているので、より長時間に渡って太陽光が当たるので、窓や大開口部を多くするほど日中は照明を点灯しないで過ごせる時間も増えていきます。また通風性に関しても、4方向のうち、2方向の風を確実に採り入れることができるので換気性にも優れ、熱気や湿気がこもりにくい家とすることができます。

家族間のプライバシーを確保しやすい

床面積や間取りにもよりますが、一般的な長方形の平屋の場合、家族の居住スペースがまとまってしまいメリハリがつきにくく、家族間でのプライバシーを確保しにくいという傾向があります。大してL字型の平屋であれば建物の形状を活かし、家族全員が共有するリビングや水廻りなどは縦の部位、個人の居室は横の部位に配置するといった具合にメリハリをつけた間取りとすることも行いやすくなります。なおL字型の平屋ならではの注意点としては、中庭越しにそれぞれの居室が丸見えとなってしまうことが考えられますので、カーテンやブラインドなどを適宜用いる事が必要です。

L字型のデメリット

間取りの自由度は低め

先に述べました通り、L字型の平屋には家族間のプライバシーを確保するための間取りとしやすいというメリットがありますが、逆に言えば、そのパターンや自由度は限られてしまうというデメリットもあります。建物が横方向と縦方向に直角で交わるという構造ゆえに、廊下などの動線パターンが限られてしまい、部屋の広さや配置も一定のパターンのなかでどうアレンジするかという次元となってしまいがちです。しかしながら近年ではなるべく廊下を造らず、間仕切りなどで工夫しながらスペースを有効活用するという傾向にありますので、廊下という動線に拘らないのであれば、さほど心配する必要はありません。

耐震性が低くなってしまう傾向がある

近年ますますニーズの高まっている建物の耐震性能ですが、L字型の平屋は長方形や正方形の平屋と比べると、どうしても耐震性が低くなってしまうという傾向があります。その要因は建物が縦と横で直角に交わっているという構造。長方形や正方形の一般的な平屋であれば、建物の6面全体で地震のエネルギーを受け止め分散させることができますが、L字型のような凹凸がある建物形状だと、地震のエネルギーが1点に集中してしまうということが起こりやすくなり、ひいては建物が倒壊してしまうリスクも高くなってしまうのです。もちろん現在建てられる新築住宅は最新の耐震基準をクリアする必要があり、震度6程度の揺れに対しては、耐えられるよう設計されています。しかしながらL字型の平屋は、相対的に耐震性が低くなってしまうということは、留意しておいてください。

コスト面でも高額になりがち

L字型の平屋は長方形のシンプルな形状の平屋はもとより、一般的な2階建ての住宅よりも建築費用が高額となってしまうという場合も珍しくはありません。言うまでもなく、建物が横方向と縦方向に直角に交わるという形状ゆえに、柱や梁、壁面を直角に接合させるという手間がかかり、建物の表面積が増えるため、資材も多く必要となります。また前述しました通り、構造的に耐震性が低くなってしまう傾向もあるので、ベタ基礎や耐震金物の使用、制振ダンパーの設置などで耐震性を強化すると、その分費用が上乗せされます。加えて建物の表面積が広くなるので、外壁塗装の塗り直しなど、将来的にかかるコストもより高額になるという点も考慮しておく必要があります。

家族間のコミュニケーションが取りにくい

上記のメリット欄にて「家族間のプライバシーを確保しやすい」という点を挙げましたが、これは逆に言えば家族間のコミュニケーションが取りにくいということでもあります。L字型という建物の構造ゆえに、曲がった先の居室にいるお子さんの気配を感じにくく、声も届きにくいというのが実情です。それゆえL字型の平屋を検討する際は、お子さんの年齢や性格なども考慮すべきです。なお近年ではコミュニケーション手段として、スマートスピーカーをお子さんの居室に設置するという方法もあるので、検討されてみてはいかがでしょうか。

L字型の間取りのポイント

開放感のある中庭をつくれる

2階建てを含めL字型の住宅を選ぶ方の多くは、開放感のある中庭をつくることができるという点に惹かれたという理由を挙げる方も多くいらっしゃいます。四方を建物で囲まれたロの字型の平屋や三方が囲まれたコの字型の平屋よりも、中庭の開放感という点では群を抜いており、またより広い面積とすることも容易です。また前述しました間取りの自由度の低さというデメリットをカバーする方法として、中庭にウッドデッキなどを設置しセカンドリビングとして活用するというやり方があります。

ガレージ&デッキの設置

L字型の平屋の形状を踏まえた敷地の有効活用方法として、中庭以外のもうひとつの方法がガレージの設置です。クルマやバイク好きの方はもとより、日常生活で乗用車の活用頻度が高いのであれば、まさに敷地の有効活用方法としてうってつけです。その上で、愛車を雨から守る屋根を兼ねたデッキを設置すれば、お子さんの遊び場としたり、前述したセカンドリビングとして活用するといったことも自在です。

生活動線を意識

L字型の平屋に限ったことではなく全ての住宅に共通することではありますが、日々の生活をより効率的に行えるように、生活動線を配慮することが重要です。とりわけL字型の平屋の場合、建物が直角に曲がる角の付近に、家族全員が使用する水廻りやLDK、さらには玄関を設置すると、生活効率をより高めやすくなります。また洗濯機を設置するランドリースペースと洗濯物を干す場所をなるべく近くに設置するというのも家事の効率化という点で重要になってきます。

収納を工夫する

ワンフロアで生活を完結させる平屋は、当然ながら2階建てや3階建てよりも床面積が限られてしまう場合が多く、階段下を収納スペースとして活用するということも出来ません。平屋ならではの収納の工夫としては、例えば玄関横の壁にシューズクロークを設けたり、LDKの一画にパントリーやウォークインクローゼットを設置するといった方法があります。収納を設置する際のポイントとなるのは、家族全員が使いやすい場所であるということが重要です。

断熱性を高める

コンパクトかつシンプルな長方形や正方形の平屋であれば1台のエアコンで家全体を快適な温度に保つことができますが、室内空間がより広く形状が折れ曲がったL字型の平屋では、それぞれの部屋でのエアコン依存度が高くなってしまいます。それゆえ、家全体の断熱性を高めることが重要。より高性能な断熱材を使用したり、窓や大開口部のガラスやサッシを、断熱性の高いものにするといったことがお勧めです。

まとめ

以上の通り、L字型の平屋には、メリットもデメリットもあります。家というのは大きな買い物であり簡単には買い替えできませんので、メリットとデメリットをしっかり理解した上でL字型とすべきかいなかを判断することが大切です。

ちなみに当サイトでは平屋の各種事例や施工を依頼する注文住宅会社の選び方のポイントなど平屋づくりで役立つ情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。