自分らしさを追求できる「おしゃれな平屋」ポータルサイト » 平屋とは?建てる前に知りたい基礎知識 » コの字型の平屋の特徴

コの字型の平屋の特徴

平屋の建築を検討する際に、大きなポイントとなるのは中庭の配置場所によって、建物形状がロの字型、コの字型、L字型に分かれてくるという点になります。ここでは、建物の三方の壁で中庭を囲むコの字型について取り上げ、メリットとデメリット、そして中庭を設置するポイントについて解説しています。平屋の間取りを考える参考としてみてください。

コの字型のメリット

より明るく、より開放感がある

コの字型の平屋の大きな特色は、中庭の三方が建物の壁で囲まれており、なおかつ一面は外に向かって開かれているという点になります。中庭の四方が建物で囲まれているロの字型の平屋も採光性や開放感に優れますが、四方を囲まれていることでの圧迫感もあり、光の通り道も真上からに限られてしまいます。対してコの字型は一面が外に開けているので、より明るく、より開放感に満ちた空間を実現できます。とりわけ建物の凹部分を南向きとすれば、採光性は抜群と言えるでしょう。

風通しがよく、熱気や湿気がこもりにくい

中庭の一面が外に開けているコの字型の平屋の大きなメリットは、何と言っても通気性がよく、自然の風を取り込みやすいという点になります。中庭が囲まれている形状のロの字型平屋は、どうしても空気が滞留してしまい、梅雨の時期は湿気が、夏場は熱気がこもりやすくなり、対策が求められます。コの字型であればそうした心配は無用。また長方形の一般的な平屋に比べ建物の表面積も広くなるので、より多くの窓を設置することも可能。室内への通気性も向上させ易くなります。

デザインや間取りの自由度が高い

長方形の一般的な平屋は形状のシンプルさゆえに、デザインや間取りの選択肢が限られてしまうというのは否めません。対してコの字型の平屋は建物自体に凹凸があるという個性的な形状であり、個性的な外観デザインや、間取りの自由度も高まります。例えば「建物の形状に合わせて外壁を3色に塗り分けたり、切妻、片流れ、フラットの3種類の屋根形状を組み合わせるといったことも自在。間取りも例えば一方の凸部分に水廻り、もう一方の凸部分を寝室、長方形部分をスキップフロア付きのLDKとするといった遊び心も存分に発揮できます。

中庭の活用方法を工夫しやすい

ロの字型の平屋の中庭は四方を建物で囲まれているという構造のため、周囲に高層の建物がない限りはほぼ外部からの視線をシャットアウトすることができ、屋外でありながらプライバシーを高く保つことができます。しかしながら、外部と遮断されている構造ゆえに活用方法が限られてしまうというデメリットも。対してコの字型の平屋は一面が外に開かれている構造なので、中庭の活用方法もより広がります。車やバイク好きの方であればガレージとしたり、大開口部で室内と自由に行き来できるウッドデッキを設置するといったことも自在です。

コの字型のデメリット

プライバシーの確保に対策が必要

前述しました通り、四方が建物で囲まれているロの字型の平屋の中庭は頭上のみが開かれている構造であり、周囲に多層階の建物がない限りは、プライバシーを高く確保できます。対してコの字型の平屋の場合、中庭の一面が外部に開かれているという構造のため、三方からの視線は遮ることができても、残る一面からは丸見えとなってしまいます。ただし工夫次第によって、コの字型ならではのメリットは活かしながら、プライバシー性を向上させるということも可能です。例えば通気性の確保を両立させたいのであれば目の細かいメッシュフェンスや木製のルーバーを設置。ガレージとして活用したいのであれば開閉式ゲートを設置するなどの方法があります。

建築費が高額になりがち

一般的な長方形のシンプルな形状の平屋と比べると、コの字型の平屋の建築費用はより高額となってしまうというのが実情です。建物形状自体が凹凸のある複雑な形状となるため、その分、柱や梁、壁面を直角に接合させなければならない箇所が増え、より多くの手間と、より多くの資材が必要となるというのが実情です。建物の表面積もより大きくなり、その分必要となる外壁材や外壁塗料も多くなります。さらにメリットの項で述べました、より凝ったデザインや間取りにしやすいという魅力は同時に、より費用がかかるということでもあります。だからと言って、デザインや間取り優先で資材のグレードを下げるというのは禁物。気密性が下がり光熱費の出費が嵩んでしまったり、見た目の高級感が損なわれる可能性があります。以上の点をキチンと踏まえた上で、施工業者と予算をすり合わせながら、施工プランを練り上げていく作業が不可欠となります。

生活動線が長くなってしまう

改めて申し上げるまでもありませんが、コの字型の平屋というものは一方の凸部の先端からもう一方の先端までの移動距離が、長方形の平屋に比べ長くなってしまいます。ロの字型であれば生活動線を回遊式とすることも容易ですが、コの字型では不可能。最短距離での移動には一旦中庭に出るという面倒が強いられる場合があります。そこで重要になってくるのが間取りの配置。リビングやバス・トイレなど家族全員が使用する共用スペースはなるべく家の中心部に配置し、凸部分にはそれぞれの個室とするなどの配慮が必要になってきます。

広い敷地が必要

そもそもコの字型に限ったことではなく、ワンフロアで生活を完結させる平屋というものは、2階あるいは3階の床面積を見込むことはできないため、2階建てや3階建てと同じ床面積を確保しようとすれば、それだけ広い土地が必要となります。加えてコの字型の平屋は中庭が必須となるため、一般的な長方形の平屋と同じ床面積を確保したいという場合も、同じくより広い土地が必要となります。

中庭を設置するポイント

排水・防水対策は確実に行う

四方を建物で囲まれたロの字型の中庭ほどではありませんが、コの字型平屋の中庭も大雨によって水浸しとなり、最悪住宅内部への浸水を招いてしまうという可能性は大いにあります。それゆえ、コの字型平屋の中庭の場合も、排水・防水対策はしっかりと行う必要があります。例えば中庭がコンクリート仕上げの場合、当然ながら水を吸収することはありませんので、排水溝や排水管を設置することが不可欠となります。またなるべく自然を活かした中庭にしたいという場合には、土や芝生よりも、目の大きい砂利を用いるのがおすすめです。土や芝よりも水が通りやすくなり、湿気が溜まったりコケが生えてしまう確率を軽減してくれます。

取り付ける軒の深さ

コの字型の平屋だけではなく、庭やウッドデッキのある家には屋根部分から突き出た軒を取り付けるというのが定番。適度に日差しや雨を遮ってくれます。しかしながら、取り付ける軒の深さや面積には注意が必要。それこそ中庭の大部分を覆ってしまうようなものを取り付けてしまうと、コの字型の平屋ならではのメリットである採光性の良さが享受できません。それこそ昼間でも照明が必要になってしまうケースも増えてしまうので、実にもったいない話です。軒を取り付ける際は、どの程度の深さ・大きさが適切なのかを、しっかりと見極めてください。

LDKを中心に置く

「生活動線が長くなってしまう」の項でも触れています通り、コの字型の平屋は建物の中心部にLDKを配置するというのが合理的です。その上で大開口部を設置し、中庭とLDKを直接つなげるようにすれば、中庭をより便利に、生活をより豊かにするスペースとして活用し易くなります。

防犯対策

平屋はワンフロアゆえに、空き巣や強盗に狙われやすいという側面があります。ましてコの字型の平屋は中庭の一面が外に開かれているのでなおさら防犯対策を徹底する必要があります。中庭の入り口部分に鍵のかかるゲートを設置したり、防犯カメラや防犯サーチライトの取り付けなどが効果的。窓や大開口部のガラスも割れにくいものにしたり、防犯フィルムを貼ることも有効です。

まとめ

以上の通り、コの字型の平屋には、メリットとデメリットの双方があり、各々の内容をしっかり理解した上で、コの字型とすべきか、その他の形状とすべきかを判断することが重要になります。建てた後で「違った…」と後悔しないためにも、しっかりと検討することをお勧めします。

なお当サイトでは平屋の各種事例や施工を依頼する注文住宅会社の選び方のポイントなど平屋づくりで役立つ情報をまとめています。参考資料として、ぜひお役立てください。